「応用言語学の総まとめ」 ノアのカナダ留学日記 - その23

「応用言語学の総まとめ」 ノアのカナダ留学日記 - その23

 

 12月1週でついに秋学期の授業が終わりました!これから期末テスト期間に入り、最後の期末が終わり次第みんな冬休みに入って行くのですが、今回と次回は私が受講していた授業についてまとめてみたいと思います。

 

Introduction to English Studies

 授業総括の1回目は英語学の授業で、英語学科(こちらの学生にとっては文学科)の授業になります。授業のシラバスにあるこの授業のゴールは、文学研究をより深いものにするため、記述言語である英語について学ぶというものです。

 

英語で英語について学ぶ

 上智では言語学や教育の授業は特定の言語についての言語学や教育学ではなく、言語や言語学習一般のものについてだったので、英語そのものについて勉強したいと思い、この授業を受講することにしました。

 もちろん上智にも英語自体の文法や教育についての授業もあり、いくつか取ったのですが、英語圏の国で英語スピーキングやリスニング力を鍛えるだけでなく、英語という言語自体を学んでみたかったというのと、英語母語話者の人は英語をどのようにとらえているのか、またどのように教えられているのか知るには英語圏の国で英語についての授業を受講するのが一番かなと。

 

いかにも海外の大学らしい授業でした!

 カナダに来る前から、海外の大学の授業というと、日本でよく言われる一方的に講義を聞いて知識を身に付けるというスタイルとは対照的に、学生同士が活発にディスカッションし合うというイメージがありましたが、この授業はまさにそんな感じでした!

 よくアメリカ映画などで出てくる大学の講義シーンとの唯一の違いは、人数が30人しかいない授業なので、大きな講堂で何百人もの学生がいる中、挙手をして発言をするというわけではなかったという点ですが、教授がトピックを提示し、それについて学生が主体となって授業が進むという点では「これぞ海外の大学!」と感じた授業でした。

 以前からこの日記に登場している言語学の授業はどちらかというと日本で一般的な講義の形式なので、だいぶ雰囲気が違うなという感じです。

 

言語学のプラクティカルな部分を集めたような内容?

 もちろん英語の方言や文法に関わるようなテーマも扱ったのですが、英語学といっても、象としては言語学の特に現実世界と深く結びついているような分野をまとめたような感じでした。

 言語学には大きく理論分野と応用分野があり、前者はそれぞれの言語の文法や音、言葉や文の意味がどのように成り立っているかなど、言語そのものについて、後者は言語の使用と社会的地位や心理状態との関わり、言語教育や失語症について、また言語を使用している時の脳の働きについてなど、人がどのように言語を使っているかについての研究なのですが、この後者の分野をあまり言語学っぽくなく、一般的な感じでまとめたような教科書を使いました。

 ”Language Matters”という本で、教科書というよりは普通の読み物のような感じなので、「言語に興味はあるけれど、言語学というとなんだか堅苦しくて難しそう・・・」という人におすすめです!
 
 子供がどうやって言語を習得するか、動物や機械(最近よく聞くSiriや話すロボットなど)の言語と人間の言語との違いは何か、完璧な翻訳は可能か、話す言語や方言の種類が人の心理にどのように影響するか・・・などなど、言語学の専門書でも扱われているような応用言語学の各分野のエッセンスがわかりやすく紹介されています。

 授業の内容自体もさることながら、この「いかにも海外の大学!」な授業を体験できたのもよかったなと思います。次回はがらりと変わってデザインの授業についてお伝えします!

連載 『ノアのカナダ留学日記