「カナダファーストネーションのアートを知る一夜」  ノアのカナダ留学日記 - その49

「カナダファーストネーションのアートを知る一夜」
ノアのカナダ留学日記 - その49

 授業も終わり、退寮と帰国前の家族と合流してのカナダ旅行(実は4月29日に日本からカナダに遊びに来る両親とトロントで合流し、その後エドモントン、バンクーバーと滞在し、バンクーバーから日本に帰る予定なのです!)の準備をぼちぼち進める以外は特に予定もなかったのですが、突然、その日の夜にあるアートイベントに行こうといつものカナダ人ファミリーのお母さんからお誘いがあり、急遽夕方から出掛けることに。

 いつものようにお家に行って、夕飯を作る手伝いをして(この日は圧力鍋で牛肉のトマトソース煮込みを作りました!)、ちょっと早めの夕飯を食べた後でこのアートイベントに出掛けました。

 

カナダファーストネーションのアート

 このアートイベントは、カナダ原住民の芸術を紹介するイベントで、イベントの開会セレモニーではいくつものフープを使ったファーストネーション伝統のダンスのパフォーマンスもありました。会場に行くとファーストネーション関連のイベントでは恒例のバノックのサービスも。

 イベント会場はアルバータ大学の辺りから車で15分程度のところにある小学校で、教室を使って3つのファーストネーションアートを体験できるようになっており、開会セレモニーの後はそれぞれのブースを順番に回りました。

 

Craft 1: Alex Janvier-inspired Smoke Art

 Alex Janvierというファーストネーションの血を引く芸術家がいるそうなのですが、その人の作品からインスピレーションを受けた作品を作ってみようという企画です。

 Alex Janvierの作品に使われている技法はSmoke Artと呼ばれ、まさに煙のようなマーブル模様をインクで作り、偶然できたその模様の中に生き物の姿を探します。

  体験ブースでは、このSmoke Artを一般の人でも簡単に作れるようにアレンジしてあり、アクリル絵の具とシェービングフォームを軽く混ぜ合わせてヘラで紙の上に伸ばし、シェービングフォームを拭き取るとマーブル模様ができるようになっています。

 


私のはこんなマーブル模様になりました。当然1人1人、1回1回、全く違う模様ができあがります。この中に生き物の姿を探します。

 


右上から順に羊、シカ、蝶、ライオン、ヘビ、サメ(?)が見つかりました!色を塗ってみるとわかりやすくなりますね。みなさんはどんな生き物を見つけられましたか?

 

Craft 2: Make Your Own Medicine Wheel

 「聖なる輪」と言われるMedicine Wheelは赤、黄、青(黒)、白で構成され、「この世を構成する様々な要素がこれら4つの色によって表される4つの要素でできている」という考えから、スピリチュアル・コンセプトやこの世に存在する生命を象徴するものとされています。この赤、黄、青、白4色のビーズをモールに通し、輪にして、Medicine Wheelを作りました。

 


4色それぞれに様々な意味が込められているそうです。今回のイベントのパンフレットにもMedicine Wheelが描かれていました。

 

Craft 3: Leather Hide Identity Painting

 最後はまだ良質な紙がなかった時代、カナダのファーストネーションの人もやったであろう動物の皮に絵を描く体験です。さすがに当時の人々が使っていた自然の材料から作った顔料を使うのは大変なので、皮に描けるカラーペンを使って絵を描きました。

 


折角なので一緒に行ったみんなの作品も載せておきます。動物の皮は紙とは比べものにならないほどインクを吸収するので、上手く描くのはかなり難しかったです。

 予定がなかったはずが一転、ファーストネーションの芸術について学ぶことのできた夜となりました。友達のお父さんがファーストネーションの家系ということもありますが、カナダに留学に来て、原住民の文化や歴史についてもいろいろと知ることができたなと思います。

連載 『ノアのカナダ留学日記